縦書きで文章や郵便物の住所を書くとき、
「数字の部分をどう書くか」
と、悩んだ事、ありませんか?
この悩みの原因は、
「縦書きの文章や住所に使われる数字は、書く人によってバラバラ」
だからだと思います。
漢数字の使い方って、何もルールがないの?
それとも、ルールがあっても、知られていないだけ?
年賀状や暑中見舞いなどを書く季節になると、いつも悩んでしまう住所などの「縦書き漢数字」の書き方を紹介いたします。
縦書きで住所を書く時、漢数字はどのように書くの?番地が4桁の場合は?
縦書きで郵便物の住所を書くとき、番地はどのように記入していますか?
1~9のような一桁の場合は、何も悩むことなく、普通に漢数字を使っていると思います。
では、二桁の場合はどうですか?
例えば、「十」と「一〇」、「三十」と「三〇」…これって、どちらが正解なのでしょうか?
調べてみると、なんと…どちらで書いても問題はない、ということでした。
答えがあいまい過ぎて、びっくりですよね!
しかし、この「あいまいさ」には、ちゃんと理由があるのです。
漢数字には、
・命数法
(漢字本来の書き方といわれているもの。
読んだ通りに書き、〇「ゼロ/レイ」は書かない)
・位取り記数法
(アラビア数字と同様に、数字を桁の順にそのまま書く)
という二種類の記数方法があります。
「登記」や「戸籍」などといった法的なものは、改ざんを防ぐために「命数法」を使うこととなっています。
しかし、それ以外の私的な文書に関しては、どちらの記数法を使っても問題がないのです。
ですから、「十」でも「一〇」でも、どちらも正しい、という、
あいまいな答えになってしまうのです。
でも、正直な話、どちらでもいいといわれても困りますよね…
そんなときは、「どちらの書き方の方がより読みやすいか」という視点で考えてみましょう。
例えば、漢数字の縦書きで2桁の場合
・「十二」「一二」
・「三十七」「三七」
それぞれ、どちらの方が読みやすいですか?
おそらく、「十」という文字を使っている方が、読みやすいと思います。
では、漢数字の縦書きで3桁の場合はどうでしょう?
・「三百六十五」「三六五」
・「百九」「一〇九」
これは、好みによって意見が分かれるところだと思います。
私としては、「三百六十五」「一〇九」が読みやすいかな、と感じます。
皆さんはどうですか?
このように、同じ3桁の数字でも、数字の組み合わせによって、読みやすい「記数法」が違います。
この辺りが、「どちらの記数法で書いても良い」といわれる理由の一つなのでしょう。
次に、漢数字の縦書きで4桁の場合を考えていきます。
・「千五百三十九」「一五三九」
・「二千三百三十五」「二三三五」
好みにもよると思いますが、「位取り記数法」で書かれた方が、すっきりとして、読みやすいかもしれませんね。
4桁の数字を「命数法」で書くと、それだけで文字数がかなり多くなってしまいので、住所がとんでもなく長くなってしまいます。
そうなると、住所が読みづらくなり、郵便局の人が困ってしまう可能性もあります。
郵便物の誤送を防ぐためにも、「なるべくシンプルに、読みやすく」をモットーに、4桁の番地の場合は、「位取り記数法」で記入した方がよいでしょう。
尚、漢数字を記入する場合
・漢数字では」「0(ゼロ)」ではなく「〇(レイ)」を使う。
(「0(ゼロ)」はアラビア数字)
・「一」「二」「三」は、縦につなげて書くと、文字の区切りが非常にわかりづらくなるので、
- 文字と文字との間を気持ち広めにする
- 「二」なら一画目「三」なら一画目と二画目を短く書く
など工夫をする。
以上の2点をお忘れなく!
縦書きの漢数字で日付の書き方は?西暦や和暦の場合は?
日付の場合も、住所の場合と同様、「これが正解」というものはみつかりませんでした。
ということは、住所の場合と同様、「読みやすさ」という観点から表記法を考えていけばよいということです。
例えば
・「平成31年」ならば、「平成三一年」よりも「平成三十一年」
・「2019年」ならば「二千十九年」よりも「二〇一九年」
それぞれ、後に書いてある方が、読みやすく、わかりやすいと思います。
これは、住所の場合と同様
・2桁なら、「十」の単位を表記した方が読みやすくなる
・4桁の場合、「千」「百」「十」という単位まで表記すると、文字数がとても長くなり、読みづらくなる
という理由からです。
以上のことから、
・和暦や日付は「命数法」で
「令和十一年」と縦書きで書く
・西暦は「位取り記数法」で
「二〇二〇年」と縦書きで書く
と覚えておくと、便利でしょう。
まとめ
私たちが漢数字をどう描くか悩む理由は、
・どの書き方が正解なのか、学習する機会がない
・表記法についての解釈が人により違うことがあり、あいまいになっている
ということからだと思います。
漢数字をどう書くか…悩んだら、読む人が読みやすいと思う方法を選んで下さい。
「命数法」「位取り記数法」のどちらでもよいので、まずは数字を書いてみて、第三者の目で冷静に見てみましょう。
一瞬でも「あれ?」と思ったり、「読みにくいな」と感じたりしたら、記数法を変えてみると、すっきり解決するかもしれません。
万が一、どちらの記数法もイマイチ納得できないようなら、思い切ってアラビア数字で記入する、という方法もありだと思います。
あまり神経質になりすぎず、「郵便屋さんごっこ」をするような気楽な気持ちで、どちらの書き方で漢数字を書くか、決めていきましょう。
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