紫陽花は、とても丈夫な植物で繁殖力も旺盛です。
これから、アジサイの育て方をご紹介しようと思いますが、もともと野山に自生していた植物ですから、それほど頻繁に手入れをしなくとも毎年きれいに花を咲かせてくれますので、どうぞご安心ください。
あじさいは、庭などに地植えして楽しむだけでなく、植木鉢で育てることも出来ます。
また、種から育てる方法と、苗木から育てる方法があります。
但し、注意が必要なのは、種苗法というのがあって、品種登録された紫陽花は増やしてはいけないことになっているので注意が必要です。
あじさいの苗木を庭に地植えする場合の育て方
紫陽花の育て方は、庭や植木鉢で育てることができますが、まずは、庭に苗木を植える場合の育て方から説明してゆきます。
あじさいの苗木の選びかた
紫陽花の苗木は、だいたいどこの園芸ショップでも販売されていると思いますが、種から育てますと花が咲くまでに3から4年もかかるところ、すでに花が咲いていたり、つぼみになっている苗木を選べばすぐに鑑賞できますので、初心者のかたにはおすすめです。
園芸ショップにアジサイが出回るのは、早い地域で3月頃です。
きれいに花が咲く梅雨時期の6月頃には、もう店頭から姿を消していることがほとんどですので、育ててみたいと思うのでしたらたくさんの種類が出回る4から5月頃がおすすめです。
そして、その頃に購入するのであれば、花の咲き具合は7分咲きくらいのものを選びましょう。
もちろん、つぼみもたくさんあるほうが後々まで楽しめますから良いですね。
花だけでなく、枝がしっかりしているか、葉はきれいな緑色で元気が良いかなどもチェックを忘れずに。
紫陽花と一括りにお話ししていますが、実はアジサイにも色々と種類があります。
小さな花(ガク)がまとまって咲いているという形状は、どのアジサイも同じですが、華やかさがあったり、野性的であったり、可憐な感じがしたりと、それぞれに個性を持っています。
日本でよく見かけるアジサイのスタンダードとも言える種類は「がくアジサイ」と言います。
たぶん、あなたが歩いていて見かけるアジサイも、これだと思います。
まずは、あなたが育てたいと思うアジサイの苗木を購入してください。
紫陽花の苗木を植える方法
紫陽花は日陰に植えた方が良いと思っているかたが意外と多いようですが、梅雨時期に咲く花であるために、そのような印象になってしまったのでしょうか。
実際には、全く日の当たらない日陰より、やや日当たりの良い場所のほうが花の付きがよくなります。
ただし「ヤマアジサイ」という種類の紫陽花にかぎり、半日陰の場所が良いでしょう。
その場合、西日を避けるようにすると良いですよ。
他の紫陽花も、午前や午後の日差しよりは、西日を避けたほうが無難です。
土に植える時期は、基本的に紫陽花の花が咲いているときではなく、その後、枯れて葉がおちてしまっている時期が望ましいです。
かといって、寒い冬の時期では霜にやられてしまう可能性もありますので、3から4月頃が良い時期でしょう。
かなり温暖な地域では秋でも冬でも大丈夫です。
あなたが街角でよく見かける紫陽花は、けっこう大きいものではありませんか。
育て方のせいということではなく、剪定しないでいれば、かなり大きくなるのが普通です。
購入したときには、それほど大きくなかった苗木も、普通にそのくらいの大きさになってゆきますので、ある程度のスペースが確保できる場所に植えてください。
大きくなってから場所を変えるのは非常に大変な作業です。
ですので、もしスペースに余裕がないのでしたら、植木鉢で育てることをおすすめします。
植える場所を深めに掘って、まずそこへたい肥や腐葉土を入れましょう。
そして、紫陽花の根を崩さないよう、注意しながら掘った穴に植えます。
その場所の土は、どのような土ですか。
紫陽花には水はけの良い土が望ましいので、場合によっては、紫陽花の周囲だけでも、園芸ショップなどで売っている土に換えたほうが良いかもしれません。
土に植えたら、これで育て方の第一段階が終わりです。
あじさいの水やり・肥料のやり方
自分の家の庭先に紫陽花が植えられて、なんとなく嬉しい気持ちになりますね。
早く成長して、花がたくさん付いて満開になるのが楽しみです。
育て方には、これといって難しい部分はありませんが、元気に育ち、きれいな花を咲かせるためにも一通り目をとおしてくださいね。
植えたばかりのアジサイは、まだ小ぶりではありますが花も咲きますし、これからしばらくは水やりをきちんと行わなくてはなりません。
植えた場所にしっかりと根がはってしまえば、あとは雨の水だけでも充分になります。
もちろん、晴天が続いて雨が降らない日が何日も続くようであれば、そのときには水やりは必要です。
乾燥しすぎるのも生育にはよくありません。
そのため、夏の強い日差しが直接、長時間当たるようであれば、根元に藁やウッドチップなどを敷いて、乾燥を防ぐという方法もあります。
ガーデニング用語ではこれを「マルチング」と言います。
マルチングをすることによって、乾燥を防ぐだけでなく、急激な温度変化から根を守ることができますし、雑草の繁殖を防いだり、土が固くなってしまうのを防ぐ効果もあります。
きれいに花を咲かせるためには、肥料も必要です。
肥料を与える時期は、冬と夏から初秋です。
冬に与える肥料は、春になって新しい葉が成長するのを助けたり、花をきれいに咲かせるまでのサポートをしてくれるよう、穏やかな作用で長い期間効果が持続するものを選んでください。
夏から初秋にかけての肥料は、秋にできる花の芽のための肥料ですので、即効性のある化学肥料のほうが良いでしょう。
ちょっとした育て方のコツがつかめれば、それを今後の習慣にするだけで大丈夫です。
アジサイの剪定(せんてい)のやり方
アジサイの育て方は難しいものではありませんが、少し手間がかかるのはやはり剪定でしょうか。
通常のお花などの植物を育てていて、剪定をする機会はそれほど多くないですよね。
はじめて行うというかたも、案外多いのではないでしょうか。
アジサイは、本来であれば剪定を行わなくても良いのですが、行わなければかなり大きく育ってしまいます。
それでも、広いお庭で余裕があるかたは、行わなくても良いと思います。
あまり大きくなると困るというかたは、難しいことでもありませんので、ぜひ行ってください。
剪定によって風通しをよくすることは、病気を防ぐ役にも立ちます。
アジサイの場合は、2段階の剪定を行うと良いでしょう。
まず1度目は、花が咲き終わったあとです。
花の下の2枚の葉の下、もしくは花の下の4枚の葉の下を切ってしまいます。
もう花が咲いたあとですが、植物好きのかたにとっては少々可哀想に思ってしまうこともあるかと思います。
ですが、咲き終わった花をいくつも切り落としたとしても、アジサイは死んだりしませんので思い切りよく行ってください。
それからしばらく日が経って、2度目の剪定は秋になってすぐの頃が良いでしょう。
1度目の剪定のあと、切った部分の下から芽が伸びてきて新しい枝になりますので、その伸びてきた枝を切り落とします。
そして、冬になりますと、アジサイは葉を全て落としてしまいますので、枝が混雑している部分は根元から剪定しておくとスッキリします。
全体的に枯れた印象になりますが、ちゃんと来年咲く準備をしていますので抜いて捨ててしまわないように。
翌年に咲く花芽は、10月頃にはすでに完成していて、それは目で確認することが出来ます。
アジサイはその状態で冬を越すのです。
そのため、冬まで待ってから剪定すれば、花芽の部分を切り落とさずに済みます。
だんだん育て方のコツがわかってきましたか。
アジサイの花芽について
アジサイを育てるにあたって、しっかりとした育て方を身に着けるためには、アジサイの性質を知っておかないといけませんよね。
今回は、アジサイの花芽についてお話しようと思います。
アジサイは、今年伸びてきた新しい枝には、花芽を付けませんので、それをまず覚えておきましょう。
今年伸びた新しい枝に花芽が付くとすれば、それは翌年の秋になります。
ということは、アジサイの花が咲く時期を思い出せば、花が咲くのは翌々年になるということがわかりますね。
このことも忘れずに覚えておきましょう。
剪定するときに、どの枝を切って、どの枝を残すのかという判断材料にもなりますからね。
このように、昨年の枝に花芽が付く場合に「2年枝に花が付く」と言います。
このようなことがサラッと言えるようになりますと、ツウっぽいですよね。
内容をしっかり理解していれば意味も分かりますし、あなたも園芸仲間に言うことが出来ます。
さらに、知っておいていただきたい知識として、アジサイの花芽は、気温が18度以下に下がったときに作られると言われています。
イメージ的に、花芽などは暖かい時期に作られそうなものですが、アジサイは意外と寒いのが好きなのかもしれません。
しかし、花芽は寒さのなかで作られますが、気温が高いときには葉芽が出てきます。
実際に、自分が植えたアジサイを観察しながら、このようなことをチェックできると良いですね。
そのためには、時期がきたなら、さっそく植えてください。
アジサイをお庭にきれいに咲かせるための基本的な育て方はもうこれだけで充分だと思います。
ほとんど難しい部分はありません。
紫陽花の増やし方
アジサイは、放っておきますとどんどん大きく育ってしまいます。
そのために剪定などもするわけですが、たとえば、アジサイを育てているうちにとても好きになってしまって、別の場所にももっとアジサイを植えたいと思うこともあるかもしれません。
または、ご近所さんやお知り合いのかたなどが、あなたのアジサイの美しさに感動して、自分もアジサイを欲しいと言うこともあるでしょう。
そのようなときに、今あるアジサイを増やしてあげることが出来ます。
アジサイは、挿し木をすることによって、容易に増やすことが出来ます。
挿し木の方法も、育て方のひとつとして説明しておきたいと思います。
挿し木を行うのは、休眠中の枝なら1月中旬から3月くらいの間に行います。
ただし、休眠中の枝挿しは、アジサイの種類によっては上手くいかないこともあります。
緑枝挿しであれば、6月から7月くらいがおすすめです。
もっとも簡単で手軽にできる方法をご紹介いたします。
まず、挿し木をする前に、砂を入れて給水させた植木鉢を用意しておきます。
花が付いていない枝の先端部分を15cm程度切り取り、下の方の葉を取って砂の入った植木鉢に挿します。
万一、失敗した時のことを考えて、枝はひとつではなく複数用意してください。
植木鉢の大きさにもよりますが、最初はひとつの植木鉢に、複数挿しても大丈夫です。
葉から水分が蒸発しやすいので、下の葉は取ってしまって大丈夫です。
直射日光が当たらない、しかし暗すぎないやや日陰のようなところに置いて、水もちゃんと与えてあげますと、半月からひと月くらいで根が出てきます。
しっかりと発根しているようであれば、少し大きな植木鉢にひとつづずつ挿して、徐々に日にあてる時間を増やしてゆきながら育ててゆきます。
これまで説明してきました、アジサイの育て方を参考にすれば良いだけですので、特別難しいことはありません。
挿し木でお気に入りを増やすなど、アジサイを育てる楽しさが広がってきます。
紫陽花は増やしてはいけない!?
注意として、種苗法(しゅびょうほう)という法律があって、品種登録されたアジサイの多くが、増やしてはいけないことになっていますので、そのようなアジサイは、自分で楽しむだけにしておいてください。
但し、種苗法は、令和4年4月から登録品種の紫陽花は『自家増殖』についても育成者権者の許諾が必要と変更されるので、自分で楽しむためでも承諾がないと増やすことはできなくなります。
種苗法による品種登録された紫陽花は、農林水産省のホームページで確認してください。
アジサイを植木鉢で育てる方法
よそのお宅のアジサイを見て、うちもアジサイ植えたいなぁと思うことがあるでしょう。
ですが、通常、アジサイはとても大きいので、あれだけのものを植える庭やスペースが無いとすぐに諦めてしまいませんか。
実は、アジサイは鉢植えとしてコンパクトに育てることも出来るのですよ。
今回は、植木鉢によるアジサイの育て方をご紹介しようと思いますので、あなたも挑戦してみませんか。
とても手軽に育てられます。
外に植えるのと同様、特別難しいことはなにもありませんし、初めてのアジサイならば、かえって鉢植えのほうがおすすめしたいくらいです。
アジサイの苗と植木鉢の選び方
苗の選びかたは、外に植える苗を選ぶときと同じです。
ですが、鉢植えのアジサイは植木鉢に植えたままで販売されていますので、この植木鉢に注目してください。
プラスティック製の植木鉢ではありませんか。
もしプラスティックの植木鉢であれば、素焼きの植木鉢に植え替えたほうが良いでしょう。
プラスティック製は、通気性が非常に悪いため、アジサイに限らず植物全般の栽培にはおすすめできません。
健康に育てたいのでしたら、できるだけ素焼きの植木鉢に植え替えてください。
鉢植えの良いところは、持ち歩きが出来ることです。
強い日差しに長時間当たりすぎてもよくないのですが、適度な日差しは必要ですので、日の当たる場所に移動させたり、西日を避けたりということが容易にできる鉢植えは便利です。
基本的なアジサイの育て方としては、明るい半日陰で育てることですが、そのような場所が見当たらない場合には、こまめに移動させてみてください。
アジサイを植木鉢で育てる時の土と水
植木鉢でのアジサイの育て方も、基本的には庭植えと変わりませんが、とにかく植木鉢に入るだけの土と、そこに与える水だけで上手に育てないといけませんから、土も水も庭植え以上に大切なものとして考えてください。
アジサイを購入したときに、プラスティックの鉢にはいっていたアジサイは、素焼きの植木鉢に移し替えますが、あまりにも小さい植木鉢では、すぐに土が乾燥してしまいますので、ある程度の大きさのものを選びましょう。
そのほうが、アジサイものびのびと成長することが出来ます。
植え替えの際にすぐに使用できるよう、アジサイに適した土を用意しておきましょう。
アジサイに適した土とは、水はけの良い土です。
園芸ショップなどで購入する場合には、赤玉土を購入し、それをベースにすると良いですよ。
そこへ、腐葉土も加えてください。
比率としては、だいたい赤玉土が7で、腐葉土が3くらいの割合が良いでしょう。
ちなみに、水をかけたときに形が崩れてしまう赤玉土は、あまり品質の良いものではありません。
品質は、購入する前に見た目でわかるものではありませんので選択のしようがないですが、品質が良くなかったものは、メモをしておいて、次回に購入するときにそれ以外のものを選ぶようにしましょう。
園芸ショップの店員さんに、おすすめの赤玉土を聞いてみると良いかもしれません。
このように、アジサイを健康に育てるための道具類を揃えることも、育て方の一部として捉えてください。
いいかげんなものを使用して育てますと、やはりそれなりのアジサイが育ってしまいますし、下手すると育ってくれない場合もありますからね。
土をいれた素焼きの植木鉢にアジサイを植え替えたなら、水は充分に与えましょう。
夏の高温が続く時期は、とくに気をつけていただきたいと思います。
アジサイを植木鉢で育てる時のセンテイのやり方
植木鉢で育てるアジサイでも、やはり剪定はしなくてはいけません。
いえ、剪定しなくてもきれいな花は咲きますが、すぐに大きくなりすぎてしまいますので、植木鉢の場合こそ、やらなくてはいけないと言うべきでしょう。
剪定は、庭植えと同じです。
花が咲き終わったあとで、花の下の2枚の葉の下、もしくは4枚の葉の下を切ってしまいます。
大きさを考えて、どちらを切っても良いです。
中には、かなり小さく仕上げたいと思うかたもいらっしゃることと思います。
そのような場合には、秋頃に出来る花芽を見つけ、そのすぐ上の辺りを剪定してください。
小さくして、さらに全体的な形も整えたいと思うのでしたら、アジサイの丈の3分の1程度のところで剪定してしまっても良いです。
ただし、そこまで短くしてしまいますと、翌年の花を諦めなくてはならないですね。
ですので、枝の何本かは秋に出来てくる花芽の上で剪定し、残りの枝は3分の1の丈で剪定することにすれば、花を見ることも出来ますね。
冬の剪定も、庭植えと同じように、枝が混雑している部分を切り落とします。
鉢植えの場合は、枝が混雑している部分はあまり無いと思いますが、気になる部分があれば剪定し、特になければそのままでも大丈夫です。
色々と剪定の工夫をすると楽しいですよ。
初心者のかたは、剪定してしまったら、もう枝が伸びないのではないか、花が咲かないのではないかと、そちらのほうが心配になってしまうでしょうが、何年かして慣れてきますと、単に花を咲かせて楽しむだけの育て方ではなく、剪定して自分の好きな形に作り上げるという楽しい育て方もできるようになってきます。
ちょっとした植木屋さん気分になれますね。
アジサイを植木鉢で育てる時の肥料のやり方
健康で元気なアジサイの育て方として、肥料を用いるのは必須事項です。
鉢植えの場合、肥料の量は少なくて良いのですが、必ず与えるようにしましょう。
アジサイに必要なのは、寒肥と花が咲き終わったあとの追肥です。
寒肥というのは、その漢字からも察しがつくとおり寒い時期、つまり冬に与える肥料のことです。
冬の間、植物はほとんど成長しないのに、何故、寒肥が必要なのかと申しますと、冬の間に与えておいた寒肥は、土の中で徐々に植物に吸収されやすい形に変わってゆきます。
そうして、植物が急速に成長を始める春になりますと、非常に効果的な肥料になっていて、どんどん根から吸収されるというわけです。
そのため、寒肥は1年間の成長を決めると言われるくらい大事だとされています。
寒肥には有機肥料(油かすと骨粉を混ぜたものなど)がおすすめです。
花が咲き終わったあとの肥料は、咲き終わったあと1カ月~2カ月後くらいに行います。
この場合には、発酵油かすなどでも良いですし、遅効性の化学肥料などでも良いでしょう。
よく「堆肥」を与えて、肥料をあげないかたがいらっしゃいますが、堆肥には肥料分の多い堆肥と、樹皮などを原料としたバーク堆肥と2種類あります。
肥料分の多い堆肥の場合には、別に肥料を与える必要はありませんが、バーク堆肥は違います。
バーク堆肥の主な目的は土壌改良ですので、植物の成長のためには、それとは別に肥料もちゃんと与えてあげてください。
このような知識は、アジサイに限ったことではありませんので、植物の育て方として覚えておいたほうが良いですね。
実際には、肥料を与えなくても、そこそこ成長するでしょうし、花も咲くでしょうが、やはり栄養が行き届いている花と、行き届いていない花は、見た感じが異なってきますし、来年もまた花を咲かせてくれるよう、ちゃんと肥料を与えましょう。
アジサイを植木鉢で育てる時の植え替えのやり方
植木鉢でアジサイを育てていますと、だんだん成長して大きくなってきますが、毎年、きちんと剪定をすることによって、ちょうど良い大きさに保っておくことができます。
しかし、アジサイを育てているうちにその美しさに魅了され、もっと大きくしたいと思うかたは少なくありません。
大きくしたいけれども庭が無いとなれば、植木鉢を大きくするしかありませんね。
ということで、今回はアジサイの植え替えについてお話しようと思います。
これは、園芸店で購入後に、素焼きの植木鉢に植え替えするときにも参考になります。
植え替えするにも、単に大きな植木鉢に移しかえれば良いというわけではありません。
植え替えする時期なども重要ですし、ちょっとした注意事項などもありますので、育て方の一環としてしっかり覚えておいてください。
アジサイを、今よりも大きな植木鉢に植え替えするならば、時期は休眠期にあたる11月から3月上旬くらいが適しています。
また、5月~9月中旬の花が咲き終わったあとに行っても良いでしょう。
花後の植え替えの場合は、花が咲いた枝を剪定してから植え替えしてください。
植え替えしたい大きな植木鉢には、底部分に小石を置いておき、赤玉土をベースに腐葉土も少し混ぜた土を少々入れておきます。
植え替えしたいアジサイを植木鉢からはずしたら、根の部分に土が固まってたくさんくっついていると思いますが、根の周囲一回り分程度を崩してください。
そうすることによって発根を促すことができます。
全て崩さずに、周囲だけにとどめてください。
そして、大きな植木鉢に植え、隙間が出来ないようしっかりと土を入れてゆきます。
植え替え直後にも水をたっぷりとあげましょう。
これで、今までよりも大きなアジサイを楽しむことが出来るようになりました。
大きさにかかわらず育て方は同じですので、長く楽しめるよう必要なお世話をしてあげてください。
アジサイの種からの育て方
アジサイを庭で育てる場合と、鉢植えで育てる場合の育て方をご紹介してみましたが、これらはどちらも園芸ショップで苗を購入してきて、自宅で庭や植木鉢に植え替えるところから始まりました。
確かにそのほうが失敗が少ないですし、なによりもその年にすぐアジサイの美しい花を見ることができるからです。
しかし、植物を育てるのがお好きなかたの中には、敢えて種から育てることを好むかたも多いです。
あの小さな種から小さな芽が出て、それがやがてあれだけ大きなアジサイになるのですから、そう考えますととても嬉しいことだと思います。
子供の頃に、花の種を植えてそれが成長するのを楽しみにしていたことはありませんか。
あの頃は、早く芽が出ないかと毎日のように何度もチェックして確認したものです。
種から植物を育てますと、またあの頃のようなワクワク感を思い出すかもしれませんよ。
あなたも、種からアジサイを育ててみませんか。
ただ、種から育てた場合、花が咲くまでに3~4年程度の月日がかかりますので、それを楽しみに待てないようであれば、苗が良いでしょう。
3~4年待って、やっと咲いた時の感動や感激を味わっていただきたいとも思いますし、種から育てることによる楽しみや喜びもあります。
たとえば、本当にまれなことではありますが、種から育てた場合、新種のアジサイができることがあるのです。
場合によってはあなたが考えた名前を付けることができるかもしれません。
そんなワクワクな楽しみを与えてくれるのが、種からの栽培です。
種からも植えてみたいけど、花も早く見たいということであれば、植木鉢でも育てられるアジサイですから、両方同時に行っても良いですよね。
また、苗で育て方を一通り覚えてから、種に挑戦してみても良いと思います。
アジサイを種から育てるには、当然ですが種が必要になりますが、園芸ショップで種を扱っているところは、ほとんどありません。
あなたがすでに苗からアジサイを植えているならば、そのアジサイから種を採ることができますね。
また、お知り合いのかたやご近所さんが植えているのでしたら、分けてもらうことができるかもしれません。
わたしたちが、「アジサイの花」と一般的に言っている部分は、「装飾花」と呼ばれていますが、花ではなくてガクですからあの部分に種は出来ません。
種が出来るのは、アジサイの本来の花である小さな「両性花」のほうですので、間違えないようにしてくださいね。
両性花が咲いた後、1mmくらいの非常に小さな実がつきます。
色は緑です。
そしてその実が熟すのがだいたい11月頃ですので、種が欲しい場合には、その時まで全てを剪定しないでください。
種を採るためのいくつかを残して剪定しておくと良いですよ。
できれば、装飾花も取ってしまったほうがより良いですね。
11月になりましたら、実の部分だけ採るのは大変ですから、花首から切ってしまってください。
実の中に、さらに非常に小さな種が複数入っています。
本当に、あれだけ小さな種が、やがて大きなアジサイにまで成長するとは、にわかには信じがたいくらい小さな種です。
それこそ、しっかりとした育て方をしないと、最初の芽すら出ないのではないかと心配になってしまいます。
それくらい小さな種ですので、種のまま保管するのは不安があります。
くしゃみひとつで飛んでいってしまいます。
その中に種が出来ていることを確かめたら、花首ごと春まで保管することをおすすめします。
一生懸命に育て方を勉強しても、種が手に入りませんと種から育てる楽しみを味わえませんので、どうしても見つからない場合は、一度、苗から育てるしかありませんね。
それでは、今回はアジサイの種を苗まで成長させる育て方を具体的に説明してゆきましょう。
種から育てる場合、種をまく時期は採ってすぐの11月、もしくは翌年の3月が望ましいとされています。
その際、用いる土はやはり赤玉土の小粒のもの、または鹿沼土が良いでしょう。
それらの土を水で湿らせておきます。
そして、その土を入れる入れ物、つまり種をまく入れ物は、育苗鉢があればそれが良いですが、なければ平鉢が適しています。
そこへ種をまくわけですが、種は本当に小さいので、一粒一粒つまんでまいていたのでは時間がかかってしかたがありません。
ですので、剪定した花首や保管しておいた花首を、土の上で振って、できるだけ均等に種を落としてください。
一か所に固まってしまいますと、芽が出てから少しばかり手間がかかります。
土の上に種を落としたなら、そのままで良いです。
さらにそこに土をかぶせる必要はありません。
そして、水やりは鉢の底から水を吸わせるという方法で行います。
これも、種からの育て方で大事な部分です。
もしも、11月に種をまくのでしたら、気温が低い冬の間は家の中に入れてあげてください。
あなたが、ビニールハウスを作ることに挑戦してみたいのなら、ビニールハウスの中で育てても良いでしょう。
年があけて2月頃になりますと、非常に小さな芽があちらこちらから出てきます。
それだけでも、とても嬉しいものです。
芽がとても小さいので、これを育ててアジサイの花を咲かせるまでの責任感すら感じてしまいます。
たぶん芽の数がとても多いと思いますので、本葉が4枚に増えた時点で、密度を低くしてあげなくてはなりません。
根が切れてしまわないよう静かに掘り出して、植木鉢や育苗箱に、3cmくらいずつ離して植え替えましょう。
そして、市販の苗くらいに成長したなら、もう植え替えしないでも良いような植木鉢に移し替えます。
紫陽花の病気や害虫に注意!
紫陽花の美しさに魅せられて、育て方を一生懸命に勉強しながら実際に育てている途中、大事なアジサイが病気になったり、害虫が発生したりすることがあります。
そのような時は、かなりのショックですね。
初心者のかたは、病気かどうかよくわからないと思いますが、徐々に花も葉も元気がなくなってくるでしょうから、やがて病気を疑うことになるでしょう。
害虫の場合は、多くの場合、虫が見えますから、それらを早いうちに取り除いてあげればダメージは少なくてすみます。
取り除けないくらいたくさん発生していた場合は、もう薬剤に頼るしかないでしょう。
病気の場合は、病気なのかなんなのかがよくわからないので、対策が遅くなる場合もあるでしょう。
ほとんどの場合、病気になったかどうかは、葉を見ることによって分かります。
葉が変な色に変わったり、凸凹になったり、とにかくいつもと様子が違うと思ったなら、それはほとんどの場合、病気です。
アジサイがかかりやすい病気はいくつかあり、たとえば葉でわかる病気は「斑点病」、「うどんこ病」、「輪斑病」、「たん素病」、「輪紋病」、「輪紋病」などがそうです。
葉や茎でわかるのは「そうか病」、根や茎でわかるのは「青枯れ病」、茎や花でわかるのは「葉腐病」、葉やガクでわかるのは「灰色かび病」などがあります。
また、全体的にモザイク状のまだら模様になってしまう「ウイルス病」という病気もあります。
アジサイに、いつもと違うなんらかの症状が現れたのを発見した時点で、そのような葉、花、ガクと、それらが付いていた枝はすべて切り落としてください。
また、予防としては、常に観察しては剪定して、風通しを良くしておくことが重要です。
風通しが悪くなっていますと、病気の原因になります。
また、紫陽花には水をたっぷりとあげた方が良いのですが、水はけが悪いと湿気がこもって病気の原因になりやすいです。
病気の種類によってはアジサイを諦めなくてはならないこともあります。
ですが、育て方を知ったあなたは、また翌年、新しいアジサイを育てれば良いのです。
病気に負けず何度も挑戦して、満足できるアジサイを育ててくださいね。
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